突然ですが皆さんは、不要なものはすぐ捨てられる派ですか?それとも溜めこんでしまう派ですか?
「いつか使うかもしれないからついつい取っておいてしまう…」というのはあるあるかと思いますが、実はこの症状が深刻化した「ためこみ症」という疾患が存在します。
今回はそのためこみ症の改善にVRを活用した事例をご紹介します!
ためこみ症とは
ためこみ症とは現在精神障害のひとつに分類されており、ものに価値がなくともそれを手放すことに苦痛を感じるといった特徴があります。現代社会では100人中2~6人がこの症状に苦しんでいると言われています。
この症状が続くと生活空間はものであふれて散らかり、日常生活に支障をきたす事態に陥ってしまいます。またよくテレビでゴミ屋敷問題が取り上げられるように、悪臭や害獣の発生、私有地への侵害などで隣人とトラブルになるケースも存在します。
さらにこの疾患は年を重ねるとともにどんどん悪化し、一度発症すると症状が自然に治ることはほとんどないとされています。
しかしそんなためこみ症改善の新たな手法としてVRを使用した研究が注目されています!
VRを使った治療法
ではどのようにしてためこみ症を改善していくのでしょうか。
ためこみ症の人は、不要なものでもそれを捨てることに強い苦痛を感じており、この感情が疾患の治癒を妨げています。
そこでこの研究では、VR空間上でものを捨てる経験を何度も積むことによって手放すことへの苦痛を緩和させるという治療を行いました。
まず参加者に自宅の散らかっている部屋の映像を撮影してきてもらい、それを基に仮想空間上でその部屋を忠実に再現します。
その後参加者は仮想上の部屋でものをゴミ箱に入れる訓練を何度も行い、各回終了後には仮想空間で捨てたもの一つを自宅でも実際に捨てるという宿題が出されました。
このような流れで16週間にもわたるプログラムを実施した結果、参加した9人のうち7人に改善の傾向がみられたと報告されています。
まとめ
いかがでしたか?
この研究は精神疾患と診断された人を対象に行われましたが、そこまで重篤ではない人に対しても例えば「片付けの習慣をつけさせる」などの応用が考えられますね!
それではまた次の記事でお会いしましょう!
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