2023年9月27日から28日にかけてアメリカのMeta本社で開催されたイベント「Meta Connect 2023」で、VR/MRヘッドセット「Meta Quest 3」が発表されました。このヘッドセットはMeta Questシリーズの第3作目で、10月19日現在74,800円から販売されています。
Meta Quest 3では従来のVR(Vertual Reality)機能だけでなく新たにMR(Mixed Reality)機能が追加され、現実の風景と映像を混合させた体験が楽しめるなど活用の幅が広がりました。
Meta Quest 3にはMR機能も!
新システム「IOBT」
今回取り上げるのは、12月に一般公開予定の新しいシステム「IOBT」です。今後、Meta Quest 3には装着者の肘や肩などの位置を認識するシステムが組み込まれ、現実世界の動きを仮想環境でも再現できるようになる予定です。このアップデートにより、ユーザーはより没入感のある体験を楽しめるようになることが期待されています。
以前まで人間の動きや位置を計測するには「モーションキャプチャ」という技術が用いられていました。モーションキャプチャとは、人間の動きの基点となる関節などに様々なセンサーが付いたマーカーを装着し、人間の動きを測定するというものです。モーションキャプチャはマーカーの解析により高精度で位置を計測できるものの、専用の機材が必要となる、マーカーを装着する手間がかかる、などのデメリットもありました。
一方で「Meta Quest 3」は、肘、手首、肩、胴体など上半身のトラッキングを実現するために、ヘッドセット本体の下部に搭載された2つの内蔵カメラを利用しています。これらのカメラはユーザーの動きを認識し、撮影した映像から各部位の位置情報を取得します。Meta社は、この新しいトラッキング機能を「インサイドアウトボディートラッキング(IOBT)」と呼んでいます。
従来のMeta Questシリーズでは、ヘッドセット本体と両手のハンドコントローラーで位置を認識する方式を採用していましたが、頭部と両手の位置しか認識できないため、仮想空間内での肘や腕の位置が不自然に感じられることがありました。しかし、「IOBT」の導入により、このような問題が大幅に改善されると期待されています。
ますますゲームの世界に没入したかのような感覚になるね!
またMeta社は、12月に「ジェネレーティブレッグ」機能を導入する計画です。この新機能は、最先端のAI技術を活用して、下半身の動きを推測し再現するものです。ジャンプやしゃがむといった動作は検知できますが、膝を上げるなどのトラッキングが必要な動作は認識できないと報告されています。
「ジェネレーティブレッグ」は、「Meta Quest 2」と「Meta Quest Pro」にも実装予定ですが、「Meta Quest 3」ではIOBTとの組み合わせによってさらに高い精度が実現されると期待されています。
まとめ
今回はMeta Quest 3に新たに導入予定のシステム「IOBT」についてまとめました。
これからのMeta Questシリーズも楽しみですね!
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